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Kindle Unlimited「生涯投資家(村上世彰氏)」を読んで

Kindle Unlimited「生涯投資家(村上世彰氏)」を読んで

ニッポン放送株式問題などで超有名人になった「村上ファンド」の村上さんが書いた著書「生涯投資家」を読みました。この1冊で上場企業の在り方やコーポレートガバナスの必要性がわかる大変素晴らしい本です。

 

※現在、Kindle Unlimited加入している人は、無料で読めます。(2018年12月3日時点)

生涯投資家 (文春e-book)

生涯投資家 (文春e-book)

 

 

みなさん「村上ファンド」「村上世彰さん」に対して、どのようなイメージをお持ちですか?

 

  • 企業に対して敵対的買収を仕掛け、仕込んだ株式を高値で売り抜けて利益を得る。
  • 企業の敵、社員の敵。
  • インサイダーはあたり前。バレなければ、何でもする。

 

こんなイメージをもっていませんか?

 

当然です。当時のメディアは、村上ファンドを批判するような風潮ばかりを報道し、株式を取得されている企業が可哀そうという空気を作り出していましたから。

 

私も、この本を読むまでそう思っていました。

 

コーポレートガバナンス

村上さんは「村上ファンド」という投資ファンドを自らの手で作るまでは、通産省のキャリア官僚として働かれていました。その時から、コーポレートガバナンスを研究され、その後も「コーポレートガバナンス」にこだわり続けてた人生を歩まれておられます。

 

ポートレートガバナンスとは、投資先の企業が健全な経営が行われているか、企業の価値を上げる=株主価値の最大化を目指す経営がなされているか、株主が企業を監視・監督するための制度です。

 

株式会社は、株主のもの。

株主から委託を受けた経営者が株主の利益を最大化するために経営する。

経営者と株主の緊張関係があってこそ、健全な経営ができ、Win-Winの関係になる

株主が配当等で利益をえることで、お金の循環が生まれ、さらにそのお金が投資にまわり世の中のお金が動き出す

 

だから、株主が企業に対して、チャレンジングな投資や事業を提案することは、当たり前であるし、その企業が内部留保をして守りに入った経営をしているのではあれば、そのお金を株主に還元しなくてはならない。

 

村上ファンド」が株を取得する企業に対して一貫してやっていたことは、まさにこれです。

 

当時、阪神電鉄の問題等では、村上ファンド敵対的買収だけが大きく騒がれ、村上さんが阪神に提案しているビジョンや考えは世間でほとんど報道されませんでした。でも実際にやっていた事は、株主として、利益の最大化を提案して企業価値を上げようとしていただけ。株主として企業価値が上がれば株主の利益が増える。結果、村上ファンドも他の株主も儲かるし、会社も発展する。株主として当たり前の事をしているだけなのに、当時は、株主が企業に対して、意見を言うこと自体が珍しく、企業側も村上ファンドを敵対視していた為、世間では村上ファンド阪神電鉄等をイジメているように映ったのだろう。

 

当時は私も全く理解できなかったが、このやり取りの一部始終が著書に書かれており、とても興味深く当時の状況を把握できた。

 

こんな事言ってはいけないが、著書の中には、スリリングな話の連続で、ドラマをみるような面白さがある。

 

投資する理由は、リターンを得ること

株式を上場するメリットとして、市場からお金を調達できる。

しかし、上場すれば、会社を買収されるリスクがある。

 

村上ファンド阪神電鉄の株を購入する。

ホリエモンが、ニッポン放送の株を購入する。

 

時間外であろうとなかろうと、ルール上で、誰でも買えた。

 

投資会社でも個人でも、株を買う理由は、投資に対するリターンを得ること。

 

ホリエモンニッポン放送を買収することで、大きな利益(リターン)を得ようとした。村上さんも同様だ。

 

投資とは、そのようなモノでこれらの行為はあたり前だし、不正でも、汚い行為でもない。

 

投資家はリータンを得る可能性に対して、お金を失うというリスクをとっている。投資した会社が倒産したり、株価が下がると、金銭的ダメージがあるのは、投資家である。

 

投資家は、決して楽をしてお金を稼いでいるわけではないことが、この本読んで強くわかった。

 

 村上さんの逮捕は、運が悪かっただけ

結果的には、村上さんは、インサイダー取引で逮捕された。

 

この逮捕に関しては、ほんの些細な事で、村上さんが不運だったというしかないが、村上さんがニッポン放送に提案していたことは、この本を読んで理解できたし、ニッポン放送、フジテレビ、産経新聞の株主関係も非常に歪なモノになっていたことがわかった。非は、村上ファンドだけにあったわけではない。ニッポン放送が株を上場する事に関しての考えが甘すぎた為に、自らの意思とは反して、ライブドア村上ファンドに大量株を取得されてしまった。もしライブドアが買っていなくても、別の会社が株を大量取得して大騒ぎになっていたでしょう。

 

村上さんの生き様

投資家としての人生。とてもカッコいいです。

あの事件がなかったら「村上ファンド」のファンドマネージャーとして、今も大量のお金を動かしていたかもしれませんが、この本を読んで、あの事件があって、今の村上さんの人生のほうが素晴らしいと感じました。

 

今現在は、自分のお金で、投資活動をおこなっておられるようです。

 

その為、誰からも指図を受けずに自由に投資ができるし、長期的なリターンやお金以外のリターンも得る事ができる。また、寄付や震災復興に関しても、とても積極的に行動されている。

 

村上さんがやっている投資は、世の中のお金を回すこと。

 

投資をすることで、お金が動き、リターンを得る。

リターンを得たお金で寄付なども行う。

 

あのような事件がありながら、今が一番輝いている村上さんの行動力を著書で読んで、とても感銘を受けました。凄い人です。

 

また自身の逮捕のきっかけのなったライブドアの元社長、ホリエモンとも現在一緒にビジネスをされております。それも驚きました。

 

村上さんがこの著書を書かなかったら、今も「村上ファンド」の悪いイメージだけが残っていたでしょう。本当にこの本を書いてくれて、よかったです。

 

ビジネスマンの皆様 

 

ぜひ「生涯投資家(村上世彰氏)」を読んでください。

 

この1冊には、村上さんが目指す信念や生き様がたくさん詰まっていますし、最初から最後まで読者を飽きさせないスリリリングな展開の連続です。

 

超オススメです。

 

生涯投資家 (文春e-book)

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