日産ゴーン会長逮捕
普段、時事ネタはあまり書かないのですが、日産ゴーン会長の逮捕はあまりにも衝撃的だったので、この事件への思いを勝手に書きます。
カルロス・ゴーン氏は、40代半ばで日産のCEOに就任したスーパーエリートです。
当時赤字だったルノーを立て直し、日産に入社してからも大胆なコストカットを実施したことで、日産も復活させた超優秀な人物です。
このカルロス・ゴーン氏がいなかったら、今の日産は存在しません。
それぐらい超優秀な経営者です。
20年近く日産のトップで君臨する。そして、誰よりも実績もある。
日産社内では、ゴーン氏に口出しを言える人が誰もいなかったのではないでしょうか。
- 超優秀
- 実績も豊富
- 長年の間、トップに君臨
この3つが重なると、ほとんどの企業でそのトップは、神格化されます。
極端な例で言うと
ゴーン氏には北朝鮮の中の金正恩に匹敵する影響力が日産社内ではあったのではないでしょうか。
また、このような影響力を持ってしまうトップは、実はどこの会社にもいるのです。
あなたの周りにもいませんか?
会長職
私自身、会長職という役職はあまり好きではありません。
(オーナー企業は、OKです。)
日産のように、サラリーマン体質企業でありながら、超実力者が会長に就くと、よい方向には向きません。なぜなら、経営陣もお客様を見るよりも、会長を見て仕事をするからです。
会長の言うことが絶対
会長の行動が絶対
会長が決める人事が絶対
会長のお金の使い方が絶対
その結果、会長が間違った行動をしていても、誰も間違っていると言えなかったのでしょう。
一度、絶大な権力を手にすると、その力を手放す事はとても難しい事がわかります。
一方でゴーン氏がいなかったらどうなのか。
ゴーン氏は、自動車業界においてもっとも優秀な経営者である事は、間違いありません。
ゴーン氏がいるから日産も復活して利益を出せていたわけです。日本人経営者であれば、ドラスティックなコストカットも出来なかったはずです。
ゴーン氏が望む給料を正しい会計処理で渡していれば、今回のような事にならずに済んだはずですが、高すぎる給料を日本人や株主が受け入れなかった事で最悪の選択を選んでしまったのでしょう。
悲しい結末です。
日本人の力で新しい日産を
日産は、日本の会社です。大株主のルノーから新しいトップが送り込まれるかもしれませんが、こうなった以上は、日本人の力で新しい日産を作って欲しいです。
自動車界で、世界一優秀な経営者ゴーン氏のやり方を長年見てきたはずです。トヨタのように、日本人社長が強いリーダーシップを持って、立て直して欲しいです。
カリスマへの反抗
今回の事件は、社内の内部告発により明るみになったようです。よく勇気をふり絞り内部告発したと感心します。とても怖かったと思います。
ただ、ゴーン氏が逮捕された事で、一件落着とはいきません。
ゴーン氏がいなくなり、日産が大丈夫なのか。
ルノーとの関係は、悪化するのでは?
残ったメンバーで、日産は利益を出せるのか?
カリスマを追い出した代償は、日産にとってかなり大きいのではないかと感じています。
誰が損をする?
個人的には、ルノーとの日産の関係よりも、日本とフランスの関係が悪くならないか心配です。
今、自動車業界は、未来が大変読みにくい状況のようです。
ルノー、日産、三菱の連合のバランスをとっていたゴーン氏がいなくなり、空中分裂しないか、さらには、日本とフランスの関係が悪化しないかとても心配です。
今回、内部告発する必要があったのか?
ゴーン氏がいなくなりなり、結局損をするのは、顧客と株主ではないか。
そんな事を考えながらゴーン氏逮捕のニュースを見ていました。
それでは、ぐっさん。